キハ56形は、1961年に登場した急行形気動車です。キハ58系の酷寒地用の耐寒耐雪装備を備えた仕様で、普通列車用の車両で運行されていた道内の準急・急行列車を置き換える目的で、キハ27形・キロ26形等を含めると251両も製造されました。中でも100番台は長大編成対応車として製造されたグループです。今回製作したキハ56 138は100番台の中で最末期まで使用された車で、急行「宗谷」のラストランや快速「ミッドナイト」の増結等広範囲な運用をこなし、苗穂で最期を迎えました。
私はキハ56形の運用を見ることは叶いませんでしたが、北海道全土を走った道内急行の代名詞的存在のキハ56形を作ってみたいということで製作しました。かつて地元砂川を走り抜けた道北急行に使用されたというのも、製作を後押しした理由です。キハ56形を作りたいと「プラレールひろばinちゅうおう」の会場で話していると、キハ58系列のプロとも言えるこだまさんが、西電さん向けに仕上げていたキハ58形を貸してくださいました。結局借りている期間には落成できませんでしたが、返却後半年ほど経過した2016年8月の「第11回プラレールひろばinちゅうおう」のタイミングで落成させました。工法は基本的にこだまさんのを踏襲していますが、キハ56形は窓の大きさが違うため一部変更することにしました。
種車は165系で、側面を塗装モールドに合わせて嵩上げして窓は2mm程高さ方向に短縮しました。扉は一度穴を開けて新しい扉を埋め込んでいます。165系を使った改造をするときはモールドをそのままにする工法と塗装モールドを削り落とす工法、そして塗装モールドの高さにそろえる工法等がありますが、キハ58系列を作るときは嵩上げする工法、「通称:太らせ工法」を今後も採用することにします。
前面をキハ40系列と比較してみると窓の高さや雨樋の有無もあり、かなり印象が変わってきます。
特徴的な前面は211系の顔をベースに平窓部分を1段下げて製作し、ライトはキハ40形や165系の前照灯の複製部品を使用しました。その他の部品は市販のモールドパーツを駆使して自作しています。凹凸の多い車両のため、マスキングには苦労しましたが塗装で再現しています。
屋根上の工法は鹿さんとは違いキハ141系SL銀河のベンチレーターを使用し、水タンクはプラ板を積層したものを削って再現しています。特に水タンクは理想の形にするのが非常に難しいと感じました。
キハ58系列を作るにあたって非常に面倒なのが運転台後ろの客用扉で、タブレット保護柵が付いていた名残で一段低くなっています。乗務員扉はスジ彫りを用いて製作しました。
前面の比較でも登場しましたが、カシがまくんが製作した道南いさりび鉄道のキハ40形「国鉄急行色」との並びです。国鉄急行色の車両をもっと増やしたいですね。
種車:165系先頭車(車体)・211系(前面)・300系(側面と屋根の一部)
塗装:B-513 Mr.スーパークリアー光沢
B-519 Mr.サーフェイサー1000スプレー
S-13 Mr.カラースプレーニュートラルグレー
S-79 Mr.カラースプレーシャインレッド
SP-11 鉄道スプレークリーム色4号
車歴:2016年8月13日 落成
2016年8月14日 第11回プラレールひろばinちゅうおう走行
2017年2月26日 第5.2回プラレールひろばinさっぽろ持ち込み
2017年5月4~6日 第4回北本でんしゃ広場展示
2017年8月13日 第12回プラレールひろばinちゅうおう展示
2018年3月18日 第4回プラレールひろばinきたもと展示
2018年8月17日 第19回国際鉄道模型コンベンション展示
2018年10月20日 検査入場
2018年10月23日 検査出場
2018年10月28日 第6回プラレールひろばinさっぽろ走行
2018年12月16日 第5回プラレールひろばinきたもと展示
2019年5月4・5日 第5回鉄道模型広場inルミエール展示
2019年5月23日 廃車
2019年5月28日 ロシア連邦運輸通信省サハリン鉄道局К-1形К-01に再改造
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