Sunagawa Railway

改造プラレールや保存車・廃車体をメインに取り扱っています。

「日本の最も美しい赤レンガの名建築」

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先日、『日本の最も美しい赤レンガの名建築』という本を買いました。この本に載っている赤レンガ建築で私が訪問したことのある建築物(土木構造物含む)を簡単に紹介していきましょう。順番は書籍で紹介された順で、建物名の表記は文化財登録の名称を優先しつつ創建当時の名前を表記したいと思います。なお、書庫は「書籍」か「建築系全般」で迷いましたが今回は取り扱う内容が建築物なので「建築系全般」の書庫に分類しておきます。
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1か所目は、国指定の重要文化財「東京駅丸ノ内本屋」です。言わずと知れた日本でもっとも有名な建築物かもしれません。設計は辰野金吾で1914年の完成です。完成当時は「中央停車場」と言われていました。全長は335mで、これは東京タワーの高さ333mよりもわずかに大きいです。この規模の建築を戦前の技術で作り上げたのは予算含めてすごいことです。東京の中央駅としての威厳を感じさせます。戦争で失われた3階部分とドーム部分を復原する工事を2012年に終えて、特徴的なドームが現代の東京に甦りました。
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2か所目は、「三菱1号館」です。この建物は辰野金吾の師にあたるお雇い外国人Josiah Conder(通称:ジョサイア・コンドル)の設計で、皇居の前、東京駅の南西の土地に建っています。完成は1894年で、この当時は東京駅はありませんでした。外観はゴシック様式にも見える連なった尖塔が特徴で、設計にはConderだけではなく辰野金吾の同期である曽禰達蔵も関わっています。1968年に解体されましたが、半世紀を経た2009年に復元されています
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3か所目は、国指定の重要文化財「日本煉瓦製造株式会社旧煉瓦製造施設」です。東京駅の構造煉瓦を作った工場として有名かと思います。煉瓦を用いているのは「旧変電室」、「ホフマン輪窯六号窯」、「備前渠鉄橋」の橋台部分等があります。中でも輪窯の中はアーチ状の天井になっており不思議な感じが味わえます。
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4か所目は、国指定の重要文化財碓氷峠鉄道施設」です。中でも「碓氷第三橋梁」は群を抜いて有名だと思います。約200万個の煉瓦を用い、メガネの様に連なるアーチを形成していることからめがね橋とも言われています。長さは91m、高さは31mで4連アーチ橋です。設計はイギリス人技師のCharles Assheton Whately Pownall(通称:パウナル)と古川晴一が担当し、1893年に開通しました。
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もう一つ、ここの構成遺産の「旧丸山変電所」も紹介しておきたいと思います。1912年に横川~軽井沢間の電化に伴い変電所や火力発電所が建設されました。「旧丸山変電所」は1963年の新線開通に伴い廃止されましたが現在も外観はとどめています。
 
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5か所目は、2014年に世界遺産に登録された国宝「旧富岡製糸場」です。写真の建物は国宝指定された「東繭置所」です。構造的にイギリス積みより弱いとされているフランス積みですが、初期の建築であるここでは多用されています。フランス積みは長手と小口を交互に積んでいくので、デザインとしては綺麗です。現在は「西繭置所」の修復が行われています。
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6か所目は、国指定の重要文化財北海道庁旧本庁舎」です。北海道に開拓使が置かれ、アメリカの技術が流入します。1888年に平井晴二朗を中心とした技術者によって設計されました。ちなみに平井晴二朗は鉄道技師でもあり、後に鉄道院の副総裁を務めることになります。北海道の開発は鉄道と共に行われたといっても過言ではないので深いつながりがあります。現在は内部が博物館となっており、北海道の歴史や北方領土樺太の資料にも触れることが出来ます。フランス積みの壮大なネオ・バロック様式の外観だけでなく、内部の装飾も見ものです。
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7か所目は、「札幌製糖工場」です。現在は「サッポロビール博物館」となっています。建物は1890年に建てられたイギリス積みの5階建てで、かなり規模の大きい建築です。なんといっても、五陵星が装飾に使われているのが北海道らしくカッコいいデザインだと思います。
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8か所目は、小樽市指定歴史的建造物「旧小樽倉庫」です。運河沿いにある煉瓦建築で、寄棟・瓦屋根の屋根に鯱を載せているという、和洋折衷的な建築です。
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9か所目は、国指定の重要文化財「旧手宮鉄道施設」です。旧手宮駅の跡地は現在、「小樽市総合博物館」となっており、実物の鉄道車両が展示されています。園内には「アイアンホース号」と呼ばれるアメリカ生まれのSLが運行していますが、その機関庫に使われている扇形庫が煉瓦造りです。
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「機関車庫3号」はフランス積みで平井晴二朗の設計で1885年に建設されました。横から見ると山のようになっているのが特徴です。「機関車庫1号」はイギリス積みで1908年に建設されました。建設当時は5線でしたが、途中で2線に削減されて使われていました。1996年に復元されて5線に戻りました。そのためか、若干外壁の色合いが違うのが外観からも読み取れます。
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10か所目は、国指定の重要文化財岩手銀行(旧森岡銀行)旧本店本館」です。これも東京駅と同様の辰野金吾の設計により1911年に建設されました。東京駅より前の建築ですがいかんなく辰野様式が用いられています。私が訪問した時は運が悪く、内装を見学できなかったので再履修したいところです。
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最後の11か所目は、国指定の重要文化財「旧第四高等中学校本館」です。金沢の「兼六園」や「金沢21世紀美術館」周辺にあるため、建築に興味のある方は外観くらいは見学したことがあるかもしれません。私も「金沢21世紀美術館」で時間を食いすぎて外観の見学のみに終わってしまいましたが・・・・
 
以上が2018年2月現在、書籍上で紹介された赤レンガ建築の中で私が訪問した建築物たちです。