Sunagawa Railway

改造プラレールや保存車・廃車体をメインに取り扱っています。

砂川鉄道物語

番外編Ⅰ第3話「晴れ舞台に向けて」

白矢は、改めてトマサホの破損状況の確認と整備期間の算出を行う。そして上司である田辺の元へ出向き、作成した書類を提出する。 「期間的には可能だと考えます。予算に関しても、リゾート特急新造よりも安くつくと考えています」 「だが、白矢君。修復の予…

番外編Ⅰ第2話「想定外、解体の阻止へ」

解体の日が近づき、既に三日前となっていた。本日、廃車の手続きが実施される予定である。毎朝8時に行われる車輌整備課の朝礼の時、社長の久北が駆け込んできた。課長を勤める田辺も想定外だったようで、口をパクパクさせている。 「諸君、朝礼の邪魔をして…

番外編Ⅰ第1話「トマムサホロエクスプレス」

特急「フラノラベンダーエクスプレス4号」ジャック事件から1年近く経っただろうか、アブラゼミの鳴き声が聞こえ始めた初夏の朝、白矢が恐れていたことがついに決定してしまった。正直、國鉄との話し合いに暗雲が立ち込めているのは、経営陣と無関係の白矢に…

外伝Ⅰ第8話「汽笛」

ヒュイィィ、ヒュイィィ、ヒュイィィィィィーー 「今、何か聞こえなかったか?」 「いえ、何も」 ピーーーー、ピーーーー、ピィィィーーーーーー 「「「これは汽笛の音」」」 長崎、白矢、岡部の3人は同時に声を上げた。確かに聞こえた、汽笛の音が。 その直…

外伝Ⅰ第7話「止まらぬ列車」

列車の操作も効かないまま岩見沢駅を発車した「フラノラベンダーエクスプレス4号」、いや既に列車名など無いただの暴走列車だ。 長崎は慌てて運転席に戻る。鉄道公安隊での訓練で、最低限の操作位なら長崎にもできる。しかし、マスコンを戻しブレーキをかけ…

外伝Ⅰ第6話「岩見沢停車、定刻通り?」

「お、伊集院帰ってきたか。かなりドタバタやってたみたいだけど、敵は倒せたのか」 高田は乗務員室から階段を登ってくる。 「敵は一人だったのか?」 「いやー、それがですね……」 「歯切れが悪いな、まさか取り逃がしたんじゃないだろうな?」 「高田という…

外伝Ⅰ第5話「車内格闘、走り続ける列車」

静まり返った車内、走り続ける「フラノラベンダーエクスプレス4号」、長崎は身動きもとれないまま、車内の中央付近に立ち尽くしていた。 「乗客もオジサマも思ったより聞き分けがいいのね。さっきの車内放送で自分たちの立場が理解できたのかしら」 聞こえる…

外伝Ⅰ第4話「函館本線、車内警戒」

「おっと、動かないでくださいね。下手に動くとひどい目に遭いますよ……ククク」 気が付くと首元には冷たい感触があり、背後には小柄な人物が張り付くように迫っていた。迂闊だった、第三警備班の鬼と呼ばれた長崎もこの至近距離ではどうにも出来ない・・・・…

外伝Ⅰ第3話「國鉄線内、出発進行」

『まもなく、砂川、砂川です。砂川駅から進行方向が変わります。また、砂川駅では乗務員の交代を行いますため、4分程停車いたします。砂川駅の発車は17時51分です』 車内放送の音で目が覚めた。上砂川辺りから記憶が途切れている。10分程寝ていたのだろうか。…

外伝Ⅰ第2話「フラノラベンダーエクスプレス4号」

砂川鉄道の普通列車は切欠きホームの4番線から発着するが、特急列車は國鉄の5番線を間借りしている。5番線に停車しているのは、砂川鉄道のフラッグシップ車両キハ83・84形、通称「トマムサホロエクスプレス」だ。白い車体にオレンジの帯、窓回りは黒色で処理…

外伝Ⅰ第1話「國鉄職員の休暇」

夏も半分が終わり、世間はお盆休みを終えて通常業務に戻ろうかとしている。そんな中、待望の長期休暇をもらい、旅行に来ている一人の國鉄職員が居た。彼の名は長崎と言い、普段は都内の部署で勤務している。無口な雰囲気で目つきが鋭く、大柄で引き締まった…

「砂川鉄道物語」目次

はじめに 当書庫では、砂川鉄道物語の目次と登場人物紹介などをしていきます。砂川鉄道物語は2015年3月頃から他のプラレーラーの先輩方が書いていたOSを真似して始めたものですが、豊田巧先生の「RAIL WARS! -日本國有鉄道鉄道公安隊-」の影響を受けて國鉄が…