秩父鉄道デキ100形は、1951年に秩父セメントの私有機として製造されたデキ101(製造時はデキ8)から始まる電気機関車の形式です。大きく3つのグループに分かれます。一つ目は先述した秩父セメントの私有機デキ101、二つ目はデキ101の増備車として1954年、1956年の二回にかけて増備されたデキ102~デキ106、三つ目は岩手県の松尾鉱業から1972年に譲渡されたデキ107・デキ108の2両です。今回製作したのは3グループに属するデキ108号です。デキ108号は松尾鉱業ED50形のED50 2号として1951年に製造され、電化されたばかりの本線を走っていました。製造当時は茶色一色の大人しい塗装でしたが、1950年代も後半になると湘南色のような緑橙の塗装に変更されたそうです。廃止時期が近づくころには、青い車体に白い帯という現行の塗分けとなったそうです。1972年10月11日には松尾鉱業鉄道が廃止され、耐寒設備の撤去や秩父鉄道に対応した装備を追加して僚機のED50 1号と共に1973年から秩父鉄道を走り始めるようになりました。その時には当時の他の機関車同様の茶色に変更されましたが、後にデキ500形の導入時には松尾鉱業の塗装が採用され、デキ108号も松尾鉱業時代の塗装に戻ることになりました。製造から70年近く経った2020年12月、デキ108号は運用を離脱することになりました。現在は広瀬川原車両基地にて、一足早く引退したデキ107号と共に余生を過ごしています。
秩父鉄道の機関車が身近になった2014年、父親がデキを作ると言い出してデキ508号というオリジナルのデキを作ったことがこの車両の始まりです。デキ100形をベースにデキ500形の要素が含まれた姿でした。落成から1年が経った頃にリメイクも兼ねてデキ107号を持っるとした姿に変更しました。この時に側面窓の個数を4枚から3枚にを変更しています。その後は塗装を変更してデキ505号風の茶色塗装になったり、青地の色をフレンチブルーに変更してみたり、更に青地の検討で小田急ブルーにしてみたりと試行錯誤を重ねてきました。2020年、三ヶ尻線熊谷貨物ターミナル駅での撮影会に向けて再び大規模なリメイクを実施し、現在の姿となっています。
松尾鉱業鉄道出身のデキ100形は側面窓がルーバー上ではなく、内側寄りになっているのが特徴です。今回のリメイクではその様子を再現しました。側面ルーバーは1mm丸棒を嵌めこむことで再現しました。また、運転台の窓も大きさを変えて再現しています。
以前作ったデキ500形との並びです。デキ500形で採用した自作のデッキをデキ100形にも採用してみまし。また、台枠の部分はデキ500形の滑らかな曲線と違い、デキ100形は台形のためそこの設計を変更しています。窓の縦横寸法やライトの形状が違うため、大きく印象が変わります。
前面はHゴムの設置、乗務員扉の枠の設置、松尾鉱業出身のデキ100形特有の庇等を設置しました。ライトは丸モールドを使用し、実車のように板材で補強しています。製品のデッキを使っていた時代よりも立体感が出てよかったと思います。
屋根上はランボードを設置しなおし、中央部の屋根上機器は落成時の物を削りなおして再利用しています。ライトの支えは板材の他に2mm角棒を使用しました。ライトの隣には警笛カバーも角棒で再現しています。
マグネットシートを利用して松尾鉱業時代のナンバープレートを設置できるようにしてあります。実車も同様の方法で撮影会をやりました。
マグネットシートを利用して松尾鉱業時代のナンバープレートを設置できるようにしてあります。実車も同様の方法で撮影会をやりました。
カッティングマシンで切り出して製作したデキ500形との並びです。デキ500形と違いデキ100形は手作業で切り出したり、窓配置を後から変更していたりするので手間はかなりかかっています。ちなみにデキ500形の図面自体はえちごやさんのデキ500形と私のデキ100形の寸法を用いていおり、雰囲気は似通っています。
自作の秩父鉄道デキの重連です。背後に建屋があるのもあって武川駅のような雰囲気がありますね。
トップページにも採用しましたが、手前からデキ100形、デキ500形、デキ500形(えちごやさん製作)、デキ300形(えちごやさん製作)の順番です。「秩父鉄道わくわく鉄道フェスタ」のように見えますね。
「電気機関車108号機スペックプレート」と共に並べてみました。グッズが出ているとはいえ、未だに引退したのが信じられません。
塗装:B-513 Mr.スーパークリアー光沢
B-518 Mr.ベースホワイト1000スプレー(第1・3次出場時)
B-519 Mr.サーフェイサー1000スプレー
S-1 Mr.カラースプレーホワイト(白)(第1・3次出場時)
S-2 Mr.カラースプレーブラック(黒)(第3次出場時)
S-13 Mr.カラースプレーニュートラルグレー(第1・3次出場時)
S-65 Mr.カラースプレーインディブルー(第1次出場時)
S-65 Mr.カラースプレーコバルトブルー(落成時)
TS-10 タミヤカラースプレーフレンチブルー(復帰時)
SP-22 鉄道スプレーブルーB(小田急ブルー)(第2・3次出場時)
車歴:2014年8月15日 落成
2015年4月3日 第1次出場
2017年2月24日 デキ500形に再改造
2019年12月25日 デキ500形から復帰
2020年4月30日 第2次入場
2020年5月1日 第2次出場
2020年8月14日 第3次入場
2020年10月3日 第3次出場
2020年10月4日 親子写真撮影
2020年12月27日 検査入場
2021年2月2日 検査出場