秩父鉄道に在籍するC58 363号は、1988年3月に運行が開始された「パレオエクスプレス」の牽引機です。363号機は、1944年2月19日に川崎車輌にて製造され、仙台、郡山、新庄など東北地方で主に活躍し、1972年10月2日に廃車されました。廃車後は1973年5月31日、吹上小学校にて保存されることになりました。吹上小学校を安住の地にすると思われていましたが、15年程が経過した1987年3月6日に国鉄に返還され、車籍を取り戻すことになりました。国鉄が分割民営化された後もJR東日本に承継され、大宮工場で動態復元されることになります。1987年12月26日に復元工事が終了し2日後に除籍、秩父鉄道へと移籍し、1988年3月から「パレオエクスプレス」の牽引機として本線に返り咲きました。JRに貸し出したり、検査で大宮や高崎に行く以外は秩父鉄道で元気に走っています。外観は度々変わっており、門デフや副灯などを装備していた時期もあります。プラレールでは当初、種車のC58 239号そのままの副灯仕様ということにしていましたが、2020年に副灯の撤去や点検窓をあけたりして現行の仕様に近づける改造を施しました。
プラレールでSL銀河が発売するという事で、発売当日に取り寄せてナンバープレートを貼り替え、事前に用意した客車共々「パレオエクスプレス」として落成させたのが始まりです。数年間無加工のナンバー貼り替えのみで運転会等を走らせていましたが、2020年に「SLおめでとう令和号」の仕様で完成させました。
今回は主に点検窓をモールド表現から抜き窓に切り替えること、副灯を撤去して給水温め器、前照灯を再設置することを行っています。
サハリン仕様のD51形との並びです。プラレールのC58形は全体的にすっきりとした表現になっています。これは、動力ユニットを切り替えたことも一因だと思われます。作り直した給水温め器も製品とそこまで遜色なく仕上げることが出来て良かったです。
「SLおめでとう令和号」のヘッドマークを掲げたC58形の姿です。細かい点ですが、煙室扉ハンドルも一部削ったりして仕様を近づけています。
製作し直した給水温め器周りです。この辺りの加工が最も難しく、神経を使う作業でした。
種車:C58形239号「SL銀河」
車歴:2015年8月7日 落成
2019年7月30日 第1次入場
2019年8月4日 第1次出場
2020年5月26日 第2次入場
2020年5月31日 第2次出場