三陸鉄道36-200形は三陸鉄道開業時に導入された車両で、他の第三セクター鉄道の車両と違いレールバスベースではなく、国鉄形気動車をベースとした設計で製造されました。200形のうち3両は開業時の翌年に製造されました。前面は上下に傾斜があり、収納式の貫通幌を装備しているのが印象的です。NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」のオープニングに登場したことにより知名度が全国レベルになった車両です。
今回制作した36-207はNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の撮影で主に使われた車両です。製作動機は東日本大震災から10年の歳月が過ぎたこと、「あまちゃん」の放送からも8年が過ぎてしまったことです。全てプラ板をカッティングマシンで切り出したものを使用することで、歪みを防ぎ切り継ぎ工程の省略も実現しています。設計段階ではやはさん、KTRくん、夜ノ森くんのアドバイスを頂いています。
左右でトイレの有無が存在しているのでそこの作り分けをしています。少し失敗している箇所もあるのですが、三陸鉄道の独特な塗装も設計段階で塗り分けラインを想定して各所の寸法や位置関係を決めていきました。窓サッシは車体に事前に切れ込みを入れておき、組みあがった後に1本の1mm角棒を通す方式を用いて作業工程の簡略化を図っています。
キハ40形との並びです。寸法値はキハ40形も大きく参考にして図面を引いていますが、運転台の配置が大きく違うので雰囲気は大きく変わっています。
前面を設計するのにはとても苦労しました。前面は上下ともに傾斜があり、貫通扉はその影響を受けずに垂直になっています。しかも貫通ホロが収納されているタイプになっているので、貫通扉部分は幌を含めて平面に納めないといけない構造で設計には難儀しました。スカート部分も車体に少し埋め込まれており、前面の傾斜の流れも受けているので強度を確保しつつ傾斜になるよう設計しました。
屋根上機器は殆ど自作の物を使用しています。ベンチレーターはプラ材を組み合わせて削り完成後に設置しています。冷房はダクト部分をプラ板から作り、SL銀河の物を2つ組み合わせて製作したものを夜ノ森くんに複製してもらいました。今回は屋根自体もプラ板から構成しており、裏側には骨が入っています。実は屋根を綺麗に埋める工程が一番大変でした。
震災前はよく見られた並びだったのではないかなと思うキハ40形との並びです。私が36-200形を設計するときに考えていた設計コンセプトとして、キハ40形よりは少しバスのように、LE-CarやNDCよりは国鉄車両らしくというのを意識して製作しました。少しはその雰囲気が出ていると嬉しいです。
三陸鉄道36-200形と三陸鉄道の鉄道むすめの「久慈ありす」と並べてみました。「久慈ありす」さんは三陸鉄道の運転士なので36-200形を運転することもありそうです。
三陸鉄道の駅務係である「釜石まな」とも並べてみました。「釜石まな」さんは元雑誌の記者をやっていた方でした。
三陸鉄道の車両を並べてみました。今度は36-100形や「さんりくしおかぜ号」とかも欲しくなってきますね。
種車:でんしゃ台車
塗装:B-513 Mr.スーパークリアー光沢
B-518 Mr.ベースホワイト1000スプレー
B-519 Mr.サーフェイサー1000スプレー
S-1 Mr.カラースプレーホワイト(白)
S-2 Mr.カラースプレーブラック(黒)
S-13 Mr.カラースプレーニュートラルグレー
S-79 Mr.カラースプレーシャインレッド
S-110 Mr.カラースプレーキャラクターブルー
車歴:2021年3月11日 落成
2021年3月26日 冷房化改造