水島臨海鉄道キハ20形は、日本国有鉄道から1987年に譲渡を受けて2014年の定期運行終了まで活躍し、現在もキハ205が倉敷貨物ターミナル駅にて留置されています。元々は日本国有鉄道の非電化路線の無煙化と近代化を目的に製造されたキハ20系の基本形式となるキハ20形で、水島臨海鉄道入線後の1988年にトイレを撤去し冷房化も行われています。今回製作したキハ208は四国内で使用されていた車両で、分割民営化直前に高知で廃車となり水島臨海鉄道に入線しています。
2014年の定期運行終了直前に見に行けず、この塗装の車両たちはすぐに解体されてしまい見ることが叶いませんでした。せめて手元に作品として置いておきたかったため、以前から作りたいと考えていました。2021年8月から10月にかけて、国鉄色のまま倉敷貨物ターミナル駅に留置されていたキハ205を保存するクラウドファンディング行われ、突如水島臨海鉄道のキハ20形に光が当てられます。また、やはさんが行っている「アイドルの街の電車シリーズ」に触発され、岡山県出身の乙倉悠貴の誕生日が10月6日であることも製作の後押しとなりました。しかし、2021年10月6日の時点で車体は組みあがったものの完成とは言えない状態であり、この時期の完成は見送ることになります。ところが、2022年1月に岡山方面に旅行に行くことになりました。これがきっかけとなり作業再開、卒業研究が終盤戦に差し掛かったのをいいことに一気に畳みかけ、辛うじて旅行に間に合わせて完成させることが出来ました。誕生日やクラウドファンディングの終了日には間に合いませんでしたが、実車と並べる機会を作れたのは良かったなと思います。このような経緯もあり、未完成箇所や塗装のミスが目立ちます。
やはさんに依頼されてキハ52形を設計したときの図面を流用して製作しています。そのため新動力用のツメが残ってしまっています。実は我が家のキハ20系新メカ車のベースとなっており、新メカのユニットが収まるかの実験車両でもありました。窓はプラレールサイズに落とし込む上で両扉間に3枚入れ、扉の前後にも小窓を配置することとしました。今後、キハ52形を作るときにどうするかも少し悩んでいるところです。
どちらも2021年度の設計車両でありかなり似通っていますが、窓のHゴムを0.3mmプラバンで再現する仕様に変更したため、キハ208の方が引き締まった印象になりました。
あまりにも突貫工事だったため塗装の漏れが目立ちますが、国鉄形気動車の表情をうまくプラレールに落とし込むことに成功したなと思います。地味に大変なのが扉でプレス部分を再現したり、足元のバス窓も設置しました。
<ベンチレーターは従来のキハ22形同様、205系のベンチレーター程度のサイズのものをプラ棒から製作しています。排気管は穴のみを空けたのみで現時点では設置していません。
種車:新メカ台車
塗装:B-515 Mr.サーフェイサー1200スプレー
S-13 Mr.カラースプレーニュートラルグレー
S-34 Mr.カラースプレースカイブルー
S-80 Mr.カラースプレーコバルトブルー
S-97 Mr.カラースプレー灰色9号
車歴:2022年1月25日 落成