Sunagawa Railway

改造プラレールや保存車・廃車体をメインに取り扱っています。

「RAIL WARS!」の表紙の話

2012年1月に1巻が発売されてから8年、「RAIL WARS!-日本國有鉄道公安隊-」の最終巻となる20巻が2020年12月12日に発売されることが決定しました。8年間続いてきた警四の物語にも、ついに終止符が打たれるようです。終了は残念ですが、20巻というキリのよい数字で終わることが出来そうで良かったとも思います。高山たちが無事に就職できると良いですね笑

私が「RAIL WARS!」に出会ったのは中学生の時、4巻が発売したての2013年1月頃だったと思います。最初に読んだのは4巻でした。「日本國有鉄道が分割民営化されなかったらという世界で繰り広げられる鉄道公安隊の物語が、当時の私には魅力的ですぐに1~3巻を買い集めるほどでした。豊田先生が繰り広げる國鉄ワールド、数多く登場する「RAIL WARS!」オリジナル車両、魅力的なキャラクター達、どれも警四の物語に没頭していく理由でした。2014年夏にはアニメ化されてキャラクターに声が付き、アニメオリジナルの車両も登場しました。その後、一時期は出版社の都合ということで物語が中断した時期もありましたが、無事に復活し警四の物語は再び走り始めました。そして2020年12月、ついに終着駅に辿り着くようです。作品の最後まで、そして終わってからも警四と國鉄の世界を応援していきたいと思っています。

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RAIL WARS!」絡みのプラレールたち

最終巻を迎える前に「RAIL WARS!」絡みで何かしてみたいと思ったので、今回は小説版の表紙を振り返りつつオリジナル車両に触れていきたいと思います。せっかくなので、作中に登場した車両のプラレールも用意できる限り載せていきます。ネタバレを含むことになるので、知りたくない方は戻っていただけると幸いです。逆にこれを読んで興味を持って読んでいただけるとその方がありがたいなと思います笑

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1巻とEF68形・28系寝台特急はやぶさ

まずは1巻、EF68 501号牽引の寝台特急はやぶさ」号が表紙を飾ります。この表紙に惹かれて「RAIL WARS!」を手に取った人も多いのかなと思います。EF68形500番台はEF510形をベースにEF210形の側面や、EF66形のプレートや連結器周りを追加したようなデザインになっています。客車は28系客車でE26系客車をベースに24系などの要素を追加しているようです。塗装は機関車が青15号、客車はブルートレイン色(青20号?)と記載されています。ちなみに高山たちが忘れ物を取りに行った時の牽引機はEF68 502号でした。

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2巻とDF51形0900番台

2巻、DF51 1102号が牽引する寝台特急北斗星」が印象的な巻です。1巻では東京駅が舞台でしたが、2巻は表紙の寝台特急北斗星」に乗車する物語です。DF51形はV型12気筒エンジンを2基搭載したF型ディーゼル機関車です。列車を牽引するときは単機でも十分だが、運用の都合で重連になる場合もあり、作中では偶然にも重連の日となっていました。特に先頭になっていたDF51 1102号は3灯装備の異端機となっています。実際に次位のDF51 1101号は2灯になっています。客車は24系25形12両編成で、上野~青森駅はEF81形が牽引を担当します。青森~函館駅ED79形、函館~札幌駅はDF51形の牽引です。ちなみにアニメ版ではオリジナル車両として、DF51形0900番台のNRSAT(公安機動隊)専用機が3重連で登場しています。

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3巻とEB42形軌道自転車「アプト君」・EF63形電気機関車

3巻、EB42形軌道自転車アプト君が表紙になっています。EB42形は碓氷峠旧線の観光トロッコの巡回用に試作されたものです。國鉄の無駄遣いが随所に見られるこだわりの車両です。車両の後ろにはD装備と呼ばれる外部搭載型発電ブレーキが装備されています。警四4人が協力して碓氷峠を滑る魅力的な巻です。アニメ版の方ではEB42形のプロポーションが若干変わっており、少々車体が長いデザインになっています。碓氷峠と言えばEF63形、本編にはEF63形も登場するシーンがあります。

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4巻と国鉄コキ50000形

4巻、表紙は川崎臨海鉄道TA-DB4形ディーゼル機関車です。TA-DB4形は川崎臨海鉄道で入れ替えに使われている機関車で、年輩の機関士宇部さんが運転していましたね。元は森林鉄道で使われていたものという設定ですが、確かに酒井のA型とC4型の合いの子のようなデザインです。スーパーチャージャーを発動すると軽々重たい貨車を押せるようになります。作中でも大活躍の機関車で、非常に魅力的です。また、貨物列車や貨物ヤードがメインの話なので國鉄コンテナも登場します。黄緑6号の國鉄コンテナから、史実で言うJRFレッドを纏ったJNRコンテナまで様々な種類が挿絵に描かれています。

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5巻と20系急行「高千穂」

5巻、表紙は12・20系の急行「高千穂」です。急行「高千穂」は東京から西鹿児島を28時間かけて結ぶ急行列車です。編成は電源車を含めて11両編成、12系客車を3両挟んでいました。牽引は東京~下関駅EF65形、下関~門司駅までEF81形300番台、門司~西鹿児島駅までED76形の担当です。私も20系客車に乗って、高千穂を目指してみたかったですね。

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6巻と583系電車

6巻、キハ381系の特急「くろしお」が表紙を飾っています。何気に小海さんが表紙に載るのも初めてだったりしますね。キハ381系はキハ81形のようなブルドッグ顔の集中動力式ガスタービン気動車を両端に配置し、中間には電装解除した381系の中間車が連なります。特急「くろしお」は8両編成で、キハ381+キサハ380+キサハ380+キサシ380+キサロハ380+キサハ380+キサハ380+キハ381となっています。通常は新大阪駅から白浜、新宮駅まで、1往復のみ名古屋まで直接結ぶ列車もあります。ガスタービン気動車に振り子式付随車という恐ろしい編成ですが、ゴツイ屋根上機器と膨らんだような振り子式付随車の対比は、惹きつけられる人も多かったでしょう。作品の中では「パンダドリーム号」という國鉄583系電車6両を利用した列車も登場します。

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7巻と72系920番台・キハ35系気動車

7巻、表紙は72系920番台です。72系920番台とはありますが、イラストを見る限り101系登場後に車体更新をしたグループなのか、101系と近い車体で側扉も両開きとなっています。挿絵にはキハ08系が出てきたり、他にもオリジナル車両が文章に出てきます。挿絵にはなっていないですが、非冷房で夏は暑いキハ35系気動車に載るシーンも出てきたりします。新キャラの氷見が出てくるのも印象深い巻ですね。他にも6巻同様に小海さんが表紙になっていたりします。8巻、國鉄キハ8000系と湯野上温泉駅が表紙を飾ります。今回も小海さんが表紙ですね、桜井にも頑張ってほしいところ笑

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8巻とキハ8000系気動車

國鉄キハ8000系は名護屋鉄道と國鉄の直通列車「たかやま」や「北アルプス」で使用されていた気動車で、名護屋鉄道での廃車後は國鉄会津線磐越西線での優等列車に使われており、時期によっては急行「南会津」にも使われています。高山たち警四のメンバーも、湯野上温泉駅まで乗車していました。157系の顔をした185系1570番台や磐越西線での455系との併結など、柔軟な運用をこなすことが出来ます。エンジンはキハ58系列同様のDMH-17エンジンから、キハ181系で用いられるDML-30エンジンに好感されており、その改造のおかげか屋根上にはラジエターを装備しています。

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9巻と100系新幹線

9巻、表紙は東京帝都地下中央郵便軌道の電気機関車100系新幹線ですね。郵便軌道の機関車は、草軽電鉄に居たようなJeffrey製の機関車です。狭い運転台に少し背の高いパンタグラフ、後ろには郵便物を積んだ5両の貨車が連なります。軌間は高山の予想では610mm程度となっています。久々に東京駅周辺でのストーリーとなり、「RAIL WARS!」らしい作品です。表紙には100系新幹線、文にはC62形やEF68形、コキ50000形も登場します。

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10巻とL0-900系超電導リニア

10巻、記念すべき10巻はお待ちかねの國鉄L0-900系超電導リニアです。8巻以降、リニア新幹線の伏線が張られ続けていましたが、満を持しての登場となります。外観はN700系の先頭形状に、L0系の車体をつけたような形となっています。編成は6両で6号車はホワイト車、5号車はグリーン車、4~1号車は指定席車となっています。10巻はひたすらこの車両が活躍しています。

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11巻と201系電車

11巻、表紙はキワ90形です。國鉄キワ90形改め、陸上自衛隊の「第101建設隊」に譲渡されたキワ94-003+ホキ3500-003の編成が登場します。連結器は永久連結器で2両合わせてようやく客車1両程度の長さとなり、塗装は自衛隊車両で用いられるオリーブドラブとなっています。ホキ3500形の方はイラストや描写を見る限り、奥多摩工業のホキ34200形あたりの改造なのかなと思います。キワ94形とホキ3500形は是非プラレールでも作りたいところですね。文中には201系の4両編成も登場します。

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12巻と485・583系電車

 

12巻、表紙は583系が飾ります。11巻同様に小海さんが表紙ですが、12巻は内容も小海さんメインの巻となっています。185系200番台の故障により、485系583系の併結で「新特急草津5号・谷川7号」の代走を行っています。6巻でも登場した583系ですが、再び登場することとなりました。

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13巻とキ100形貨車

13巻、表紙はオリエント急行とキ100形です。表紙の後ろまでキ100形が写りこんでいます。この巻は番外編というか特別編というか、警四のメンバーが地中海の国「アテラ」に行って活躍します。オシャレなオリエント急行に乗り、桜井ですら満足するほどの銃撃戦をしてきます。時系列では8巻と9巻の間のストーリーとなっています。

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14巻とEF65形500番台

14巻、表紙は991系蓄電池駆動電車です。991系は今はやりの蓄電池式の電車で、デザインはE491系をベースに国鉄特急色にした形でした。アメリカのGTWが製造した電車で、赤字の國鉄を救済するような格安の軽量電車を大量に導入する前に試作品として國鉄の公安機動隊に導入されました。14巻の舞台は越前大野で、お酒がおいしい雪国の町です。14巻を読んだら行きたくなると思うので旅行とセットで是非笑

EF65形500番台も登場シーンは少ないですが、挿絵入りで登場します。

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15巻とキハ181系特急「あさしお」

15巻、表紙はキハ181系余部鉄橋でした。キハ181系は特急「あさしお号」として登場し、中学生アイドルの相模野々花を警護する警四は無事に餘部駅にたどり着けるのか、という物語です。キハ181系の編成は7両編成で、5号車にキサシ180形の食堂車、4号車はキロ180形のグリーン車です。他にも文中には300系新幹線「スーパーひかり」も登場しますが、國鉄の300系新幹線はエアロストリーム形状の新幹線で、現実では700系新幹線に相当するものと思われます。ちなみに15巻は、現在地味に人気が出ている米坂未遥さんの初登場回にもなります。

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16巻と235形電車

16巻、表紙はEF62形牽引の急行「能登」となっています。最初で最後の氷見が表紙に登場する巻となっています。EF62形はもう1両か2両しか残っていない貴重な電気機関車で、高山は54号機牽引の急行「能登」で北上することになります。文中にしか登場していないですが、客車は14系とマニ70形で牽引機は所定がEF68形1000番台となっています。碓氷峠を超えるときはEH68形300番台という二車体連結式機関車が牽引することでEF63形の重連運用置き換えていますが、当日はEF62形での代走という事もあり、補機はEF63形の重連となりました。また、挿絵には235形電車という路面電車が登場します。かつては475系が走っていた國鉄富山港線路面電車化するのに合わせて導入された新型電車で、塗装は国鉄バス同様の白地に紺色とグレーのラインが入ります。

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17巻とDE10形ディーゼル機関車

17巻、表紙はDE10形となります。黒いDE10形でライトが3灯になっているのが特徴で、挿絵を見る限りは函館運輸所のDE10形に近いのかなと思っています。これは鉄道公安隊に所属している機関車で、紺と水色に塗られたスユニ50形を牽引します。

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18巻とC62形蒸気機関車

18巻、表紙はC62形が飾ります。國鉄大湊線ではC62形を復活させて青森観光の起爆剤にしようと考えており、2号機を整備して大湊線で試運転を行っています。C62形は1巻での投炭訓練でも登場しましたね、18巻でも重要なシーンで登場することになります。やはり、つばめマークの輝く2号機はカッコいいですね。

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19巻とEF68形・28系寝台特急はやぶさ

19巻、表紙はキハ52形の急行「いわと」となっています。高千穂線ではキハ52形やキハ47形が普通列車で運用されているほか、急行「いわと」用にキハ23形やキハ58形も走っています。また、挿絵には久々に寝台特急はやぶさ」が起用されています。

 

(2020年12月12日追記)

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20巻と國鉄車両たち

20巻、無事に発売されましたね。20巻は高山と桜井、そして東京駅となりました。警四の活躍の終着駅であると同時に、國鉄の世界を演出してくれた車両たちともお別れとなります。警四の物語も8年の時を経て完結したので、これを機会に魅力いっぱいの國鉄ワールドを読んでみてはいかがでしょうか?